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1月 04

050問題解決手法、発想手法は実務で何を使う?-その1

世に問題解決やアイディアを出すための手法は数多い。しかし、知っていることと役立てることとは違う。これまで私がITマネジメント関連業務のなかで使ってきた問題解決手法、アイディア発想手法についての実感をご紹介したい。

□ ITマネジメント業務と問題解決
コンピュータメーカーのシステムエンジニア、企業のIT部門勤務、ITコンサルティング、研修講師と、これまでITマネジメントに関連する業務を25年以上やってきた。
IT関連の業務には大きく2種類あって、現状を大きく変革するためのいわゆる「開発系」業務と、安定したITサービスを提供するための「運用・管理系」業務がある。前者は問題解決そのものと言っていい業務であるし、後者についても日々改善は求められており、問題解決とは切っても切り離せない業務だ。
こうした関係から、仕事上の問題解決、生活上の問題解決、あるいは研修で教えるために幾つかの手法を学び、実践してきた。
以下は、この経験から、私が実務でつかっているものを中心とした問題解決技法(手法)、アイディア発想法についての実感を述べたい。
各手法を公平な前提により評価したものではなく、あくまで私の経験からの実感であることはあらかじめお断りしておく。

□ 強力な基本2大手法
(1)親和図法
親和図法というのは、カードを作り、図にまとめていく部分ではほとんどKJ法と変わらない。観察したり、意見を出し合ったりしてつくったカードを眺めて「近い」と感じられるものを寄せてまた眺める。このようなことを繰り返してカードをグルーピングし、全体を整理していくものだ。
私は頻繁にこれを利用している。ものごとを整理したり、文章を書く前の整理をしたりするのに有効だ。
思うに、人が「良く理解できている分野」というのは、頭の中にある「部分の知識」と別の「部分の知識」がそれぞれどのような包含関係にあり、互いの関係が明確に意識できている状態だといえる。よく分からない分野というのは、「部分の知識」が断片として散在しているだけで、互いの関係が整理されていない状態にあるではないか。断片の知識同士が結びついたとき「分かった」ということになる。この分かった状態を、目に見える形で実現する過程が親和図法であると私は理解している。

(2)ブレーンストーミング(BS法)
BS法は日本でもかなり普及していて、「ブレストしてみよう」という言葉を良く聞く。だが、「ブレスト」と称して単なる「意見の出し合い」になっていることも多い。4つのルール(批判厳禁、自由奔放、質より量、便乗発展)を守ること、ファシリテータがしっかりと意見を引き出すことが本当に創造的なセッションとするためには重要な要素だ。
私は一人でも時折やることがある。
伝統的な進め方では、出された意見を黒板や白板などに書記が手際よくまとめながら記入していくやりかたである。研修などでは、参加者が付箋紙などのカードを各自でつくりながら進めていく「カード型BS」で行なっているケースが多い。
カード型の場合、容易に親和図法と組み合わせが出来るため、私は個人でやる場合も、研修で何らかのグループワークをやる場合もカード型で行なっている。

この二つを使うことでかなり多くの問題に対応することができる。
以下は、問題解決の局面に応じた手法となる。

□ 要因分析には連関図法
(3)連関図法
なぜその結果となるかを、「なぜ?」という問いかけを連続しておこない、要因を遡っていく手法には、「魚の骨」の形で有名な特性要因図もあるが、私の実務ではやはり連関図法である。
カードとの相性がいいというのがあるし、個人でやる場合もEXCELの図形を使うことで簡単にできる。当然だが、上に述べた親和図法、BS法との相性もいいのである。
連関図法には「なぜ?」を遡る使い方もできるが、影響、波及事象を「それがどうなる?」と問いかけて洗い出していく影響分析にも利用できるし、「~するためには?」と問いかけて目的手段関係を洗い出していくこともできる。ただ、私の連関図法の利用方法としては、要因分析と影響分析で、目的手段の洗い出しは系統図法を使用することが多い。
(次回につづく)
(2012.6.6 執筆:山田一彦)