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1月 04

047要因分析は事実に基づき論理的に追究する

先の記事(*1)で紹介した問題解決基本手順における、前半の重要なステップである要因分析について、もう少し具体的に進め方とポイントをみてみたい。要因分析は、「なぜその問題が生じているのか」の要因を構造的に分析するものである。

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□ 要因分析は事実を重視し、論理的に、重要度を意識しておこなうべき
要因分析は、発生している問題を解決するために必要な程度の厳密さと正しさが必要である。要因と要因の関係を構造的に表現する連関図法を用いるのが良いと述べたが、厳密であるためには、個々の要因と要因の間の因果関係が論理的に正しいものである必要がある。そのためには因果関係の根拠は、推測や曖昧な記憶に頼らず、事実に基づくべきである。また、道楽や研究ではないので、重要でない部分に時間をかける必要は無く、そこも意識してすすめたい。

□ 連関図法は結果から要因を導く連鎖
連関図法では、先ず、「解決したい問題」を出発点となる「結果」として、その「要因」を洗い出して、要因から結果に矢印を引く。洗い出された「要因」を今度は「結果」として、その「要因」を洗い出して矢印を引く。これをつぎつぎと続けて、対策が講じられる程度に「要因」が具体的になるまでおこなう。

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□ 重要性の低い要因やよく分からない「要因」は「その他」としておく
たとえば、「請求書の内容にミスが多く、クレームが多発する」という場合の要因に、主なものが3種類あると分かったとする。しかし、まれにはこの3種類以外にもあるとすれば、それも追究していくべきなのであろうか。現在のところ余り重要でない場合は「その他」としておく。この処置により、要因の一応の網羅性は確保できるし、「その他」のそれ以上の要因追究は行なわないことにもなる。将来的に業務環境が変わり「その他」のなかの要因が重要になるかもしれないが、そのときは「その他」の中から重要なものを取り出して追加分析をおこなえばよい。

□ 形式は「中央集権型」が取り組みやすい
連関図を作る際の配置だが、テーマを左端において、右側にどんどん展開していく「右方展開型」か、中心にテーマを配置し、周囲に任意に要因を増やしていく「中央集権型」が一般的だ。これからどんな要因がいくつ出てくるかわからない状態の場合は中央集権型で始めるのが取り組みやすい。

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□ 要因ごとの事実を調査する

要因の連関が図解できたらこんどはそれぞれの要因の重みを評価する。

「ミスの発生」など過去の実績がある場合は、件数や、損害金額などを要因毎に集計し、影響度の大きなものはどれかを把握する。要因の種類が多ければパレート図にすることでより明確に要因の影響度が把握できる。

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パレート図の例

□ 「論理的であること」は信頼のおける分析の必須条件
連関図が形だけいくら良く出来ていても、その中身、つまり要因と結果の関係が誤っている、もしくは納得いかない場合は、導き出された具体的要因にも疑問がつく。
「論理」とは根拠から結論を展開する構造のことをいうが、「論理的である」とは論理展開が正しく、かつ納得がいくものであることといえる。連関図でいえば、要因と結果の関係が正しく導かれていることである。「風がふくと桶やがもうかる」は論理的とはいえない。
作られた連関図が論理的であるとき、作成者以外の第三者を納得させることができるのである。

□ 事実に基づかないと分析結果を誤ることも
たとえば、A、B、二つの行為の正しい実施を前提としてCをおこなうという処理があるとする。Cの結果が誤っているのでどこが要因かを追究しようとするとき、担当者からA、Bは正しいと報告を受けた。当然Cにミスがあると考えてCを詳細に調査するが解明できない。解明できる訳がない。実は担当者の勘違いでAが誤っていたから、というようなことは結構多い。ネットワークの障害時にコンピュータやネットワーク機器の設定を一生懸命調べたが分からず、実はケーブルが抜けているだけだった、というようなことに近い。
一つ一つの事実をしっかりと確認した上で「論理的に正しい」構造ができるのである。
(2012.5.28 執筆:山田一彦)

*1:記事「構造的な問題」の解決のための基本手順