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1月 04

039 2日で作るBCP(事業継続計画)

中小企業庁のBCP策定運用指針Webサイトは、基本、中級、上級と段階を踏んでより高度なBCPを作り上げるためのガイドとなっており、手順や参考資料も詳細で充実している。基本コースならば経営者が1~2日で策定できるという、ハードルの低いものとなっている。基本コースでBCPを作成するイメージアップをしてみた。

□ 中小企業庁BCP策定運用指針サイトの構成
中小企業庁BCP策定運用指針サイト(*1)全体は次のような構成になっている。

○eラーニング形式の基本、中級、上級各コースのBCP策定の説明
進む(→)、戻る(←)ボタンが付いたページで、各ページの説明を理解し、それに従って書式に内容を埋めながらBCPを作っていく形式になっている。

○入門診断
最初に20問のチェックリストで現在の事業継続対策状況を診断できる。

○ダウンロード
以下の資料がダウンロードできる。
・使用する書式(Word形式、pdf形式)
・財務診断モデル(財務診断とBCPの一部となる書式が含まれる。Excel形式)
・アウトプットイメージ(作成例、基本コースのものと中級コースのもの)
・BCP策定運用指針(pdf形式、全体で279ページ)

○用語集

□ 実際使う場合はどうか
基本コースで最低限のBCPを作る際のイメージとポイントは以下のようなものだ。

(1)作成例の確認
まずは、どのようなものが出来上がるのかを、ダウンロードメニューのアウトプットイメージを印刷して確認してみよう。既にある程度のBCPが出来ている場合は、基本や中級のサンプルでは面白くないかもしれないが、初めての場合は、なるほど、と思うだろう。

(2)書式、財務診断モデルのダウンロード
「基本」をクリックして説明に沿ってBCPを作成しはじめてもいいが、その説明を理解するためにも書式と財務診断モデルはあらかじめダウンロードしておいて、別ウィンドウで見ながら解説を読むことをおすすめする。

(3)解説を読み、書式を埋めていく
メイン画面の「基本」をクリックするか、メニューバーの「基本」をクリックして開始する。文字が小さいと感じる方はブラウザ操作で拡大したほうがいい
説明を読みながら、ところどころで書式に埋めていくということになる。書式に埋めるところでは多少時間のかかる作業になることもあるので、できれば、一通り通しで解説を読み、埋めるべき書式を確認した上で作業をした方が効率的かつ全体の理解につながると思われる。

(4)BCP作成のそのあと
この指針に沿って作れば、BCPの骨格は確かに1、2日でできる。ただ、取引先などの各所、従業員の連絡先電話番号など、詳細な部分はあとからでも正確を期すようにしたい。
また、指針の説明にもあるが、会社としてのBCPが出来上がったら、従業員と共有する。従業員が持ち歩き、いざというときの行動を記載した携帯用カードの書式あるので、それを作成して配付するものいいだろう。

□ 中級、上級は財務的な手当も詳細化する
中級の場合は、業種別の財務診断モデルがあり、現在の財務状態(損益計算書の項目で記入)と被害想定から、復旧するための費用の算定、事業中断によるキャッシュフロー悪化額の算定をすることができ、復旧に必要な費用が計算できる。その資金を自力で賄うのか、借入先を確保するのかなどから事前対策を検討することができる。
中小企業庁のサイトは、基本コースで作成したら、次は中級、上級とレベルアップしていくような形でつくられている。

□ BCPはあくまで計画。事態を想定した訓練は欠かせない
BCPはできればしっかりと練り上げた方がよいが、震災のときも、BCPはあっても、普段から訓練をしていないために十分に生かせなかった、という例もある。BCPの発動と初期対応着手までには、「何年も前に作ったBCP」を一から読んで理解する時間はない。定期的なBCPのメンテナンスと訓練は欠かせない。
(2012.5.9 執筆:山田一彦)

*1:中小企業庁「BCP策定運用指針」http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/bcpgl_help.html