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1月 04

022運用オペレーション作業は漏れなく、確実にできる体制を確立したい

運用オペレーション業務は、新規事業開拓のように試行錯誤が奨励される業務とは逆に、あらかじめ決められたことを漏れなく、確実におこなうことが必須の業務である。晴れた日(通常の日)も、雨の日(アクシデントがあった日)もコンスタントに実行できる体制確立のためのポイントを考える。

□ 漏れなく、確実に実施することが求められる業務
中小企業における情報システムの運用オペレーションは、担当者が、複数のシステムの作業を日々行なうのが一般的な体制である。Web販売システムで蓄積した注文データを、基幹システムにまとめて入力する作業が手動で行なわれている場合もあり、さまざまな作業の中の一つでも忘れてしまうと、業務上の大きな問題となることがある。

□ 運用オペレーション業務の種類
以下のような業務が主要なものである。

1.定例の日常業務
実施するタイミングによって、毎日行なうのであれば「日次業務」、毎週であれば「週次業務」のように呼ばれ、「月次業務」、「半期業務」、「年次業務」などがある。
実施する作業内容としては次のようなものがある。

(1)システムの運転にかかわる操作
起動、停止、「締め」オペレーションなど。

(2)一括処理の起動
一括処理とは、画面からの一件ごとの業務処理ではなく、多くのデータをまとめてコンピュータで計算するデータの処理方式である。給与計算処理などの業務的なものと、日に一回おこなわれる一時的データの削除のようなシステム的なものとがある。

(3)データバックアップ処理、媒体の管理
データバックアップ処理自体は、時刻が来ると動き出す自動起動のことも多い。人的な作業としては、バックアップデータを記録した磁気テープを、テープ装置から取り出して保管庫に入れたり、代わりのテープを装着したりするなどの、媒体管理がある。

(4)データインタフェース処理の実施、確認
一つの情報システムから別のシステムにデータを受け渡すことは多い。一つのシステムでの簡単な操作で済むこともあるが、パソコンで人的に収集され、整理されたデータを情報システムにまとめて入れることもある。この場合は、パソコンでのデータの取り扱い技術が必要になる。

(5)処理の実行監視
利用者にサービスを提供しているWebサイトなどの重要システムでは、監視用のシステムから一定間隔で確認用の問合せをおこない、稼働状態を監視することが広く行なわれている。監視用システムで異常を検知したら、担当者の携帯電話にメールが発信されるようにしておくことが多い。
一括処理、データバックアップ処理、データインタフェース処理などは、正しく行なわれたかどうかを、ログファイルなどを見ることで監視する。

2.何らかの条件により実施する業務

(1)マスターデータ変更
会社の休日を管理するカレンダーマスターの更新や新しい部門が出来た場合に行なう組織マスターの変更など、情報システムの稼働に必要なマスターデータを最新に維持する業務である。一定の時期に行なう場合もあれば、業務上の何らかの状況変化を受けておこなう場合もある。

(2)システム変更に伴って発生する業務
システムに新しい機能を追加するような場合は、そのタイミングでシステム停止させ、変更作業終了後、立ち上げるというようなことを行なう。Webシステムの場合、停止中は別のコンピュータにメンテナンス中の旨を表示させる場合もある。

□ 確実な実施体制確立のためのポイント
冒頭でも述べたように、運用オペレーション業務は、漏らさず、確実におこなってはじめて会社の業務やシステムの安全が成り立つものである。時折、運用オペレーション業務が不十分なことに起因するトラブルが生じるようならば、しっかりと遂行できる体制に立て直しておきたい。
そのためのポイントを以下に示す。

(1)計画と実行管理
日次、週次、月次の計画を立て、いつ、何をやるかをあらかじめ文書化しておく。実行管理は、重要な業務であれば、実施の都度、別な人間によるチェックをおこない、最低でも1日の終わりにはその日の予定が確実にできたことをチェックしたい。計画の文書化は、予定の確認、周知だけでなく、実行をチェックをするためにも必要である。

(2)作業の属人化に気をつける
「特定の個人しかこの作業ができない」、「作業があることすら周りの人は知らない」という状況は大変危険である。作業手順、作業知識のマニュアル化、文書化を進めると同時に、複数人での実施ができるようにすべきである。

(3)専任者がいない場合の問題
運用オペレーションを専門にやる体制になっていない場合、他の業務を抱えながらの実施となるが、他の業務でトラブルが発生してかかりきりになり、運用オペレーションができない、という状況にならないようにしたい。この場合も実行管理の体制の確立が重要となる。
(2012.3.28 執筆:山田一彦)