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1月 04

020利用者支援はIT有効活用のかなめ

情報システムは、導入しても活用できなければ宝のもちぐされになる。利用者支援はIT有効活用のかなめであるが、ヘルプデスクを設置しおけば良いわけではない。利用者支援を効果的に行なうためのポイントを紹介する。

□ 業務システムの有効活用には利用者支援が必要
私たちが普段の生活で使う機器やソフトウェアは、特別なマニュアルや操作訓練をしなくてもある程度使えるものが増えてきている。情報システムについても、操作性を良くして、マニュアルの閲覧や問合せが少ないものを作ることが一つの設計目標になる。
しかし、業務で使うシステムにはどうしても複雑な操作になるものや、たまにしか使わないため、何らかの支援がないと目的の利用ができないものもあり、その場合、利用者への支援体制が必要になる。

利用者支援の活動には上で述べた操作の支援を含めて次のような種類がある。

(1)システム利用者の操作スキルを必要水準に高めるための活動
(2)利用時に発生した疑問や課題を利用者が自分で解決できるようにするための資料、ツール作り
(3)操作不明点の問合せ応答
(4)障害、トラブル、改善要望の受付窓口
(5)利用のための環境維持作業
(6)利用促進活動

以下、概要を確認してみよう。

1.システム利用者の操作スキルを必要水準に高めるための活動
新規システム導入時の利用者全員への操作教育、訓練、稼働後の新規利用者への教育、訓練が中心になる。
また、特定の業務アプリケーションの操作ができるようになる前提としてのパソコン操作研修が必要な場合がある。こちらは、データ処理やオフィスソフトの利用も含めた、情報リテラシー教育の一環として行なうのが良い場合も多い。

2.利用時に発生した疑問や課題を利用者が自分で解決できるようにするための資料、ツール作り
代表的なものは操作マニュアルであり、現在でも大部分の業務アプリケーションでは作成され、適宜、バージョンアップが行なわれることが普通の対応である。また、代表的な操作上の質問事項とその回答を集めたFAQ(よくある質問と回答)も、利用者支援の一環で作成することで、マニュアルと合わせて、利用者が問題を自己解決するのに役立つ。

3.操作不明点の問合せ応答
教育、訓練して、マニュアルやFAQを配備しても解決できない利用上の問題が発生した場合は問合せ窓口に訊いてもらうということになる。こちらはシステムの利用者規模にもより専門部隊が担うこともあるが、システム部門の人間が通常業務をこなしながら対応することも多い。中には問合せに忙殺されるケースもあるようだが、どれだけ多くの問合せが発生するかは、システムの操作性、教育・訓練の実施度合い、マニュアル・FAQの充実度合いとの兼ね合いになる。余りにも問合せが多いようであれば、利用者としても生産性が低下している可能性があるので、これらの見直しをしてみる必要があるかもしれない。

4.障害、トラブル、改善要望の受付窓口
利用者がシステム利用において遭遇する問題は操作だけではない。システムの動作の異常やシステムへの改善要望などもある。システムの異常が発生した場合は、その事象を把握して、利用者の業務再開に最短時間で行き着けるように、あらかじめ対応手順や連絡先なども含めたプロセスを整理しておく必要がある。業務フローを作る場合が多い。

5.利用のための環境維持作業
利用者の増加、利用者の異動や権限の変更、パスワード忘れ、利用者の利用停止などへの対応は、利用者へ手続きをあらかじめ提示して、不正や間違いの無いように実施する。

6.利用促進活動
なかなか難しいのは利用促進である。利用者としては使わなくても特段の支障は無いが、より多くの利用者がより多く使うことで業務上の効果につながるような場合に利用促進活動を行なう。
(2012.3.26 執筆:山田一彦)