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1月 04

012IT資源調達で調達するもの・ハードとソフトだけでないことに注意

IT資源調達とは新システムに必要なものを決めて発注することだが、ここで調達するものはハードウェア、ソフトウェア以外にもある。サーバー設置設備などはシステム開発と発注のタイミングが必ずしも同じではないため手配を漏らしたり、忘れたりすることがあるので要注意だ。

□ IT資源はハードウェア、ソフトウェアだけではない
新システムの開発が進み、新しいサーバーを自社のサーバールームに搬入してテストを開始・・・、しようとしたら電源容量が足らなかった、ということがある。電源に限らず、設置スペース、空調能力、床荷重などもあらかじめ十分にチェックをしておかないと危ない。
システムを運転したり開発したりするために必要な様々なものをまとめて「IT資源」と呼ぶ。マシンルームの設備以外にも、マニュアル作成、利用者教育、保守契約、通信回線契約などが必要になることも多い。

□ システム導入時に必要なIT資源
以下ににIT資源調達で対象とする一般的な資源と例を示す。

1.ソフトウェア
業務プログラム・・・独自開発の場合、開発契約
パッケージソフトウェア、OS(基本ソフト)、ミドルソフト(データベース管理ソフトなど)・・・ソフトウェア使用許諾契約

2.ハードウェア
端末、プリンタなど周辺機器、サーバー、通信機器
※サーバー:レンタル、クラウドの利用も有利なことが多い

3.サービス
SaaS、ASPなどの業務システム提供サービス、ネットワーク回線

4.開発・導入・運用に必要な人的資源
開発の付加的作業(マニュアル作成、操作講習など)
委託元でのテスト支援要員、など

5.ソフト、ハードの保守サービス
業務プログラム保守、その他プログラム保守、 ハードウェア保守

6.設備(建物、電源、空調など)
サーバー設置場所と付帯設備、開発中に借り入れる物件
※サーバーは商用データセンターの利用も考慮要

□ 必ずしも同時の発注でないことが落とし穴
これらは必ずしも全て同時に発注する必要があるものばかりではない。新システム稼働に近い時期でいいものもあれば、業務プログラム保守などは本番稼働後でいい場合もある。このようなタイミングの違いが、後々になって考慮漏れや発注漏れにつながる落とし穴である。
ご覧いただくとわかるように、表のなかでもIT資源調達の中心となるものはソフトウェアの調達である。通常、もっとも高価であり、かつ、発注から納入までの期間が長い。このためIT資源調達では、ソフトウェアの要件確定と発注時期の早期化が、予定日までにシステムを稼働させる大切なポイントとなる。

□ ウカウカの代償
しかし、ソフトウェア開発ばかりに目を取られて、それ以外は「後でいいから」とウカウカしていると、IT資源調達終了後はすぐに基本設計のやりとりに忙殺されて、いつの間にかテスト用サーバーの発注が手遅れになってしまう、などということもある。テスト用サーバーの発注から納品までは1ヶ月程度は見なくてはならないので、見積り取得や価格交渉なども含めれば2ヶ月程度の期間は欲しい。サーバーの次はネットワークだ。回線の申請から開通までには、業者にもよるが数週間から1ヶ月程度かかることもある。
このように、調達しておくべきIT資源の使用タイミングは次々とやってくる。1週間の遅れ、2週間の遅れが幾つか積み重なり、プロジェクトの日程は余裕のないものになってしまう。

□ マネジメント上の2つの対応方針
いろいろなIT資源調達をタイムリーにおこなうためのマネジメントのポイントは2つある。
一つめは、IT資源調達活動で、ソフトウェアと同時に発注できるものは全て考慮に入れて、できるだけ同じタイミングで発注する、または決定することである。その時点で発注するのが適当でないものは、開発マスタースケジュールに漏らさずに組み入れることだ。
二つめは、プロジェクトの開始後もIT資源調達は続いているという認識をしっかりと持って、常に時期を先取りした日程管理を行なうことである。常に2ヶ月先までは確実に手の内に入れるようなマネジメントを行なっていれば、ほとんどのことは大丈夫だろう。
(2012.3.5 執筆:山田一彦)